OECDの学力テストの結果 その2
ちょっと分布の偏りのところのデータの見方を間違えていたので一時取り下げ後の再up。...すいません。
前回の記事 『「OECDの学力テストの結果から見て学力低下」ってなに?』に対するトラックバック、コメントたくさんいただきありがとうございました。コメント機能はIEの場合文字コードをUTF-8にすると使えるようです、どうも御迷惑おかけいたしまして申し訳ありませんでした。
初めの各国間の比較でなく日本の過去との比較が問題。っていうのはさっき言ったとおり僕は賛成なんですが、それが過去のテスト点数の比較からできるのか、ということに対してはちょっと疑問です。異なるテストの点というのは100メートル走の記録なんかと違って簡単に比較できるものではないのでやはり過去の国際的な相対的な順位や相対的な点数から比較するべきではないでしょうか。
って書くと言ってることが矛盾しているようですし、僕が前回あまりはっきり書いていなかったことでずるいんですが、2000年度と比べて相対的に順位が下がってるってのは統計的には(この各国の3%程度のサンプルがランダムにとれている場合に限っては)誤差じゃなくて事実なんです。
でも(あくまで感覚的な話になりますが)前回もあげた
http://www.oecd.org/dataoecd/58/41/33917867.pdf
のpdfで60ページ、ページ番号90ページのグラフを見る限り
20位のアイルランド(ちょうど真中の500点です)ぐらいの順位の国までは平均値より下の順位の生徒の成績を上げることによって分散をいかに小さくするか。ってことに力を入れた方が幸せになれるんじゃないでしょうか。そして日本のように標準偏差が他の国より決して低くない以上それはなお効果的なのではないかと思います。
標準偏差の話しがでてきましたが、実はこれ日本は世界的にみても開いている方に入っています(つまり個人の成績差の平均が世界標準より大きめってことです)。
値こそ101で平均の100とほとんど変わりませんが、順位は公式参加国29ヶ国の中で下から4番目でなんとアメリカ(標準偏差95)より標準偏差が開います 。こうして見ると学力においてはアメリカは画一的で日本はかなり個性的と言えます(w
ゆとり教育がかえって分布を広げているとすればこれって当初の目的-(内容を簡単にすることで成績が下の方の生徒でも授業についていけるようにする。) ってまったく達成されていないのではないでしょうか。
ただ僕は「数学文化論」な人間であることもあって、詰め込みには反対で、同じレベルの内容をより詳しく分かりやすく教えるように努力するってのが教育の王道だと考えています。そしてこれはネットがある現在、大人がみんなでネットで教科書を作ったりして努力していかなければならないことなのだと思います。
(数学力が危機だ危機だと騒ぐわりにでてくるコメンテータは教育関係者ばかりで数学者がでてこないことにげんなりする今日この頃)
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